私たち制作サイドにはコストダウンの工夫はいろいろあります。
それ以外に、クライアントサイドで知っておいていただくだけで、コストダウンに繋がる方法、あるいは制作途中でコストを上げない工夫もあります。
「企業・団体」の「PR・販促」や「教育研修」が目的の映像制作を例にご紹介しましょう。
『終わってみたら、見積よりコストが膨れあがってしまった。』
これは、ほとんどの場合、準備不足が要因です。
では、各工程で何に気をつければいいのでしょう?
プリ・プロダクションワーク(撮影に至るまでのプランニング工程)で大切なこと
映像ツールの対象や目的など、制作をスタートさせる前に決めておくべきことがあやふやなまま進行すると、その途中で方針がぐらついたりムダな作業が増えたりします。
社内で案件が決定すると、すぐにでも制作をスタートしたい気持ちは分かりますが、この部分をおろそかにするとトータルのコストが上昇する傾向にあります。
逆に、このコンセプトメイキングをしっかり行い、撮影に至るまでの工程を丁寧に準備すれば、コストが下がる傾向にあります。
映像制作では撮影に至るまでの工程が最も重要で、実は時間も手間も掛かります。
私たちは、「いかに効果のあるツールとするかという内容」を考えると同時に、撮影やその他の工程で、「最も効率的で無理や無駄のない制作プラン」を考えます。
要求されているクオリティーと内容と納期に応じて、限りある予算を効果的なパートや工程に重点配分したり、他のメディアとの組合せを提案することでトータルのコストを下げる工夫もします。
制作現場を知らない、あるいは映像制作を知らない人が考える構成案やスケジュールはとても「危険」です。思いつきで書いた構成案がとんでもないコストアップになるかもしれません。
また、予算規模からかけ離れたアイデアは、その実現のために他のパートのクオリティーを下げる結果を招きます。
表現のプランはひとつではありません。
スケジュールに余裕を持たせる代替案、コストダウンに繋がる代替案など、いくつものプランの引き出しをもっているスタッフがいるからこそ、訴求力はそのままに、コストパフォーマンスの優れたツールを実現できるのです。
社内での企画段階から私たちスタッフにご相談いただければ、限られた予算で最大の効果が期待できる案を担当者様と一緒にプランニングできます。
プロダクションワーク(主に撮影・収録に関する工程)で大切なこと
撮影時に関してのコスト増となる要因とは。
一例を挙げると...。
新製品説明。
撮影当日、製品の調整が不十分で思うように動かない。
社内での撮影。
各部署の隅々まで連絡が行き渡っていなかったため、「聞いていない」と反発が起こり、非協力的な雰囲気に。
などなど・・・。
こんなことでは、撮影時間が足りなくなり別日に追加収録。つまりコストアップは避けられません。
大規模なロケではスタッフの数や機材の量も多くなります。同じスタッフや機材をもう一度日程調整することは至難の業なのです。
いかに、撮影前の準備が大切かお分かりいただけるでしょう。
ロードサービス・ロールプレーイング(実技研修ビデオ)
また、撮影時には必ずクライアント様(責任者様)の立ち会いをお願いしています。撮影時にはモニターにて映像を確認していただきます。製品や出演者の様子など、細かなチェックが必要な場合があります。
現場でセリフなどがある場合はその内容も重要です。ここでチェック漏れがあると、再収録になります。
クライアント様による各業界のプロの目線でチェックも大切です。
ポスト・プロダクションワーク(編集・録音工程)で大切なこと
編集は全て専用のデスクトップコンピュータで行います。
ご担当者様の立ち会いは必要ありません。
編集後のプロセスが「試写」です。
ユーズワークスでは「初号試写」の段階からタイトル・字幕(テロップ)も実際に入れます。
ナレーションがある場合、この「試写バージョン」にもプロのナレーターによる「仮ナレーション」を入れることがあります。映像や字幕スーパーとのタイミングや整合性をチェックしたりでき、より完成版に近い状態で点検できる利点があります。比較的短い尺の映像で、作り込んだ作品の場合などに向きます。
その分のコストは掛かりますが、社内でコンセンサスを得る必要のある人数が多い場合や、経営トップなどに完成版の前に見せ、VIPチェックを事前に受けやすくすることも考えられます。
担当者様以外の人が出来上がりをイメージできないことから起こる「誤解や的外れな批評・指示」を排除し、無駄な修正作業やスケジュールの遅れを回避することでトータルのコストを下げる効果があります。
これらのプロセスは、各企業様の事情に合わせご判断いただくことでスムーズな進行に繋がります。
通常、試写はご担当者様と一緒に映像を見ながら進めますが、一部のパート(例えばCGの動きチェックなど)を事前にムービーファイルにしてネット上でご確認いただくなどのご協力で、お互いの負担を減らし、コストダウンに繋げられます。
本番のナレーション録りでは、録音スタジオに決定権のある責任者の方の立ち会いをお願いしています。
ナレーターは映像内容や予算に応じて事前に、男性、女性、声質、経験によるランクを考慮して選びます。ただし、声のトーンやスピードなど微妙な感覚の部分は、実際に確認しながら録音していくのが間違いありません。また、業界専門用語の読み方やイントネーションなど、思わぬ間違いをチェックすることもできます。
ナレーションの録音後も「音を整える」作業にかなりの時間と手間が掛かります。ナレーションの再収録という事態は、制作工程にとってダメージが大きく、確実にコストアップに繋がります。
ナレーション録りは、この本番でクライアント様とスタッフが力を合わせ、細心の注意をもって仕上げていく必要があるのです。
これで本編の完成です。これを「完パケ」といいます。
DVDにする場合は、完パケを元にオーサリング作業を行います。メニュー画面を製作し、頭出しのチャプター設定などのプログラミング作業です。
プレス工場に入稿する前に、DVDマスター版で動作チェック、同時に盤面やジャケットのデザインなどもチェックしていただきます。
このチェックを過ぎると、全て工場での工程に移るため、後戻りができません。クライアント様でも複数の方でチェックされることをお勧めします。
ユーズワークスの得意とする守備範囲のひとつに研修ビデオがあります。 過去の制作例とその際の予算規模をご参考までにご紹介します。